最近何かと思い悩むことが多い。
ただ、悩みの種は解り易いので、そんなに重荷ではないけれど。
しかし詰まる所、安易なことで悩むようになってしまった自分が問題なわけで、非常にくだらない。
「凡庸だ。酷く、凡庸だ。」
と呟くことが多すぎる。
凡々たる日々に、色気が無さ過ぎるからか、体にも目にも、脳天にも指先にも、気力が入らない。
由々しき事態だ。
酷く凡庸だ。
色彩が眩んでしまっている。
凡々たる、存在だ。
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冬の日
私を愛する七十過ぎのお婆さんが、
暗い部屋で、坐つて私を迎へた。
外では雀が樋(とい)に音をさせて、
冷たい白い冬の日だつた。
ほのかな下萠(したもえ)の色をした、
風も少しは吹いているのだつた、
紐を結ぶやうな手付をしてゐた。
とぎれとぎれの口笛が聞えるのだつた、
下萠の色の風が吹いて。
あゝ自信のないことだつた、
紙魚(たこ)が一つ、颺あがつてゐるのだつた。
(角川ソフィア文庫「中原中也全詩集」より)

